もう随分前から、クルマ番組を作りたいと思っていました。
ニュースステーションをしていた時も、クルマ好きのスタッフとは「いつか、必ず・・・」と、テレ朝の食堂で話していたものです。
ニュースステーションが終わって、まあ、とりあえず企画書を書いてみるか、
と、書き留めたのが、この企画書です。見てみるかという方は、クリックしてみてください。尚、都合により何箇所か伏字になっています。
これを書いたのは、半年ほど前になります。
仕事仲間に見せて、反応を見ていました。そうこうするうちに、
改良案もいくつか出てきて、実際に作ってみるか、まで何とか辿りつきました。

ただ、問題はやはり民放で放送するクルマ番組の難しさです。
自動車メーカーは、大スポンサーです。
自動車メーカーが提供する刑事もののドラマは、刑事が乗るクルマは、
全てそのメーカーのクルマで、なんとも不自然極まります。
とにかく、放送局はクルマに関しては異常にナーバスです。

そこで、“GYAO”が急浮上しました。そこからは、とんとん拍子に話が進みました。
驚くべきは、この話が持ち上がった2〜3ヶ月前には、GYAOの視聴設定者が160万人だったのが、放送開始の12月15日には500万人になりそうだということです。 これには本当にビックリしました。

さて、話は本決まりになり、とり上げるクルマの選定に入りました。
メーカー別、生産国別、クルマのジャンル別等を考慮し、
バラエティーに富み、かつバランスもとれていなければなりません。
僕が書いた最初の企画では、あまり新車は取り上げない方針だったのですが、
やはり見る人は、新しいクルマが見たいのでは、とスタッフは考えました。
スタッフといっても、実は僕を含めて5人だけです。
顔ぶれは、機会があったらおいおい紹介していきましょう。
で、とにかく1回目は、マツダ・ロードスターに決めて、作業を進めました。
そうしたら、カー・オブ・ザ・イヤー受賞のニュースが飛び込んできて、
こいつは縁起が良いと、僕たちも喜びました。
受賞後、マツダの広報にはロードスターの貸し出しの申し込みが殺到したようですが、僕達の番組が、早くから2台を押さえていたので、いくつかの媒体は悔しい思いをしたようです。

こうして、11月15日から、収録がスタートしました。
連日快晴に恵まれて、順調に進んでいます。
このホームページには、収録中のスナップ写真もありますので、
そちらもお楽しみください。





といったような経緯で、第1回は、マツダロードスターになりました。
番組でも申し上げた通り、ちょっと「素っ気ないデザイン」が気になりますが、
プロの荒川さんの指摘する、「そのシンプルさが、新しさにつながる」、
「この方が、飽きがこない」という指摘は心に留めておきたいと思います。
僕は2世代目にも1週間ほど乗りましたが、確かに、足元をはじめ車内は気持ち広くなったようです。
特筆すべきは、そのエンジン特性で、スポーツカーには重要な「官能的なエンジン音」こそありませんが、低回転から高回転まで、平均してトルク(回転力)を発生しながら、生真面目に回り続けるエンジンこそ、僕が力説した「物凄い運転のしやすさ」の根源です。
内装ではVSタイプに標準装備されるサドルタンカラーの本皮シートが、
なかなか豪華です。マツダがシンボルカラーにしている、薄めのガンメタ、
マツダ言うところの、ギャラクシーグレーのボディーカラーに合わせると、
これは結構たまりません。ソフトトップもタンですから、カラーコンビネーションは完璧です。

ご覧頂いたように、この番組は、クルマのデザイン(カタチ)のみならず、森羅万象あらゆるモノのカタチにこだわっていこうと思っています。
今回は、多摩美術大学の武正教授に登場していただき、貴重なお話を伺うことが出来ました。  武正さんは、大変なシトロエン・フリークです。
10月の下旬、マルセイユでたまたま見かけた、シトロエン2CVの写真をお送りしたら、
とても喜んでいただけました。



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オープニング撮影
多摩美大 武正秀治氏と愛車シトロエンCX
マツダロードスター収録中
マツダ・ロードスター
マルセイユの2CV